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The Walk

 今はもうなきWTCでのフィリップ・プティの偉大なる「芸術」は、映画によって再び観客を当時の興奮を呼び覚ませ、3Dによって彼の、そして僕たちの記憶は永遠になる。こんな美しいことがあって良いのだろうか。

 どんな不可能なことだって、挑戦することを諦めなければ叶うのだ。フィリップの地上411mでの偉業、そしてそれを支えた恋人、仲間たち、そして運。それらが混然一体となったクライマックスでの彼の「夢」の姿に興奮しないわけがない。こんなにも感動に満ちていて、優しくて、美しい映画を僕は観たことがない。

 映画は終わらない。映画自体はもちろん終わるけれど、映画の中の世界は永遠に続くのだ。僕たちはその世界のごく一部を映画館で観ているに過ぎない。映画は永遠だし、現実がどんなに悲惨であろうとも、映画の幸福は永遠に続くのだ。